
ジョニーウォーカーの「ブラックラベル 12年」が持つ、その卓越したバランス。ブレンデッドスコッチの基準として多くのウイスキー愛好家に知られるその味わいを、あなたもきっと愛していることでしょう。
では、その隣に並ぶ「ダブルブラック」についてはどう思いますか?
「名前の通り、ただ煙たいだけじゃないの?」「いつものジョニ黒から、わざわざ乗り換える価値はあるんだろうか?」そんな疑問を持つ、あなたのようなウイスキー愛好家のためにこの記事はあります。
結論から言うと、その違いは単なるスモーキーさの強弱ではありません。
この記事では、ブラックラベルの「12年熟成」という品質保証に対し、ダブルブラックが熟成年数表記のない「ノンエイジ」である理由、そして強く焦がした樽の使用といった製法から生まれるスモーキーさの「種類」の違い、そこから導かれる独自の魅力について、徹底的に深掘りします。
読み終える頃には、あなたの知的好奇心は満たされ、次の一杯への期待に胸が膨らんでいるはずです。
この記事は、ジョニーウォーカー公式サイトおよび信頼できるウイスキー専門情報(2025年9月時点)を基に構成しています。商品の価格や取り扱いは、販売店や時期によって大きく異なる場合があります。ご購入の際は、必ず販売店にて最新の情報をご確認ください。
結論:「ダブルブラック」は黒ラベルのスモーキーさを先鋭化させた
もう一つの選択肢
まず結論からお伝えすると、ジョニーウォーカー ダブルブラックは、ブラックラベルのDNAを受け継ぎつつ、そのスモーキーさと力強さを際立たせた「特化型」と言えるボトルです。
しかし、それは単に煙たい原酒の比率を増やしただけ、という単純な話ではありません。その背景には、ピーティーな原酒の比率を高めるだけでなく、内側を強く焦がした特別な樽(ヘビリーチャードカスク)で熟成させるという、ユニークな製法が存在します 。
ブラックラベルが持つバランスの取れた味わいを愛する方が、スモーキーさという個性をより深く探求するための、もう一つの選択肢としてふさわしい、奥深い魅力が隠されているのです。
この記事で、そのジョニーウォーカー ダブルブラックとブラックラベルの違いを一つずつ解き明かしていきましょう。
ジョニーウォーカー「ダブルブラック」と「ブラックラベル」4つの決定的違い
BLACK LABEL vs DOUBLE BLACK
スモーキーさ
製法
味わい
ダブルブラック: スモーキーさが際立ち、ドライな味わい。複雑で重厚な余韻が続く。
価格帯
両者の違いを理解するために、特に重要な4つのポイントに絞って解説します。「スモーキーさ」の感じ方から、その味わいを生み出す製法の秘密まで、詳しく見ていきましょう。
違い①:スモーキーさの「質」(上品な黒 vs 力強くピーティーなダブルブラック)
最も大きな違いは、やはりスモーキーさのキャラクターにあります。
- ブラックラベルのスモーキーさ:
焚き火の煙や、乾いた木材が燻るような、上品でバランスの取れたスモーキーさが特徴です。他のフルーティーな香りや甘みと調和しており、突出することなく全体を支えています。 - ダブルブラックのスモーキーさ:
より力強く直接的です。潮風やヨード香を伴うアイラモルトに由来する「ピーティー」なニュアンスが前面に出ています。ピーティーとは、ウイスキーの原料である大麦を乾燥させる燃料の泥炭(ピート)に由来する独特の香りで、正露丸のような薬品や土っぽさを伴うのが特徴です。
違い②:製法(秘密は「内側を強く焦がした新樽」での熟成)
スモーキーさの秘密は「樽」にあり
ブラックラベルとダブルブラックの製法の違い
このスモーキーさの質の違いを生み出す秘密が、熟成に使う樽にあります。ダブルブラックは、ブレンドの一部を内側を強く焦がした(ヘビリーチャーした)古樽で熟成させています。
この工程により、樽材からバニラやキャラメルのような甘く香ばしい成分がより多く溶け出し、力強いスモーキーな原酒と調和することで、ただスモーキーなだけではないリッチで深みのある味わいが生まれるのです。
このジョニーウォーカー ダブルブラックは、世界的に権威のあるコンペティションでも高く評価されています。
例えば、2024年のサンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション(SFWSC)では、最高賞にあたる「ダブルゴールド」を見事に受賞しました。
(出典:SFWSC公式サイト 2024年結果ページhttps://thetastingalliance.com/events/san-francisco-world-spirits-competition)
SFWSC公式サイト内でダブルゴールド受賞を調べる際は、検索する必要があります。以下はその手順
1.公式サイトを開いて下へスクロールし、【イベント】・【賞】・【検索】の検索窓を見つける。
2.【イベント】の検索窓で2024年サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティションを選択。
3.【検索】内に(Double Black)と入力して🔍マークをクリック。
違い③:味わいのプロファイル(濃厚なフルーツ感と樽由来の甘み)
スモーキーさ以外の味わいにも明確な違いが見られます。
- ブラックラベルの味わい:
リンゴや洋梨のようなフレッシュな果実味と、バニラのような甘みが特徴です。 - ダブルブラックの味わい:
レーズンやドライフルーツのような、より凝縮感のある濃厚なフルーツの風味が感じられます 。ヘビリーチャーした樽由来の、ビターキャラメルのような甘みとスパイシーな余韻も長く続きます。
違い④:価格(数百円の差で得られる価値とは?)
ダブルブラックは、ブラックラベルより数百円程度高い価格で販売されていることが一般的です 。この価格差は、
泥炭(ピート)由来の個性的な香りを持つピーティーな原酒の使用比率を高め、内側を強く焦がした特別な樽を使用するといった、追加の手間(コスト)がかけられていることの証左と考えられます 。
この数百円の差で、「いつものブラックラベル」とは一線を画す、より個性的で飲みごたえのあるウイスキー体験が得られると考えると、非常に価値のある投資と言えるでしょう。
この数百円の差で得られる価値を、ぜひご自身の舌で確かめてみてください。
→ Amazonで「ダブルブラック」の価格をチェック
→ (比較用に)「ブラックラベル」の価格も見てみる (Amazon)
【実践編】ダブルブラックの個性を最大限に引き出す飲み方とペアリング

これまでの解説で、ダブルブラックが持つ特有の魅力について、その背景と共に深くご理解いただけたことでしょう。ではいよいよ、その個性をあなたの五感で最大限に体験するための、具体的な方法をご紹介します。
「ブラックラベル」が持つ卓越したバランスとは一線を画すダブルブラックの個性。それは単に力強いだけでなく、熟成年数に縛られないことで実現した、より大胆なスモーキーさを追求した結果です。その複雑な魅力を引き出すには、少しだけ飲み方や合わせるおつまみに工夫を凝らすのがおすすめです。
飲み方で変わる、スモーキーさの表情
いつものハイボールだけでなく、少し飲み方を変えるだけで、ダブルブラックは驚くほど多彩な表情を見せてくれます。
濃厚スモーキーハイボールで楽しむ
いつものハイボールを、より個性的で満足感のある一杯にしたいなら、少し濃いめに作るのが正解です。ダブルブラックの持つスモーキーさは、ピート(泥炭)由来の香りと内側を強く焦がした樽由来の香ばしさが重なった多層的なもの。炭酸の刺激と相まって香りが一層引き立ちます。
仕上げにレモンピールを軽く搾りかければ、柑橘の爽やかな香りがスモーキーさの奥にあるリンゴや洋梨のようなフルーティーさを呼び覚まし、非常に立体的な味わいになります。
ロックで、ゆっくりと変化を味わう
ウイスキーとじっくり向き合いたい夜には、やはりロックが最適です。大きめの氷を使い、グラスの中でゆっくりと溶かしていくのがポイント。
注ぎたてのピーティーなアタックから、時間が経つにつれて強く焦がした樽由来のバニラやビターキャラメルのような甘みが溶け出し、味わいがまろやかに開いていく様は、まさに至福のひとときです。
トワイスアップで、香りを解き放つ
ダブルブラックが持つ複雑な香りを最も繊細に感じ取りたいなら、ウイスキーと常温の水を1:1で割る「トワイスアップ」をお試しください 。加水することで香りの成分が揮発しやすくなり、グラスから立ち上る潮気、ヨード、そして奥に潜むドライフルーツの香りを、よりはっきりと捉えることができます。
最高の相棒を見つける、ペアリングのすすめ
「ブラックラベル」が幅広い食事に合う万能選手なら、「ダブルブラック」は相棒を選ぶ個性派です。その力強い味わいは、合わせるもの次第で最高の体験を生み出します。
定番の組み合わせ:ビターチョコレート & スモークチーズ
カカオ分70%以上のビターチョコレートは、多くの方に支持される組み合わせです。チョコの苦味と濃厚さがダブルブラックの樽由来の甘みとスモーキーさに寄り添い、互いを高め合います。これは風味の共通点を合わせる「同調」というペアリングの基本です 。また、同じ「燻製」の仲間であるスモークチーズとの相性も抜群です。
意外な発見:ゴルゴンゾーラ & ドライフィグ
少し上級者向けですが、青カビチーズ特有の塩気と刺激、そして熟成した旨味は、ダブルブラックのピーティーさと見事に調和します。
これは異なる風味をぶつけて新たな味わいを生む「対比」の考え方に基づきます 。そこにドライフィグ(乾燥いちじく)の凝縮した甘みを加えれば、甘み・塩気・スモーキーさが三位一体となった、忘れられないマリアージュが完成します。
食事と共に:スパイスの効いた肉料理
黒胡椒をたっぷりと効かせたビーフジャーキーやステーキ、あるいはスパイスカレーなど、風味の強い肉料理ともよく合います。料理のスパイスに負けないウイスキーの個性が、口の中を力強くまとめてくれるでしょう。
ぜひ、「ブラックラベル」と並べて飲み比べ、この記事で解説した「スモーキーさの質」や「目指す方向性の違い」をご自身の舌で確かめてみてください 。その体験は、あなたのウイスキーの世界をさらに広げてくれるはずです。
ダブルブラックはこんな人にこそ飲んでほしい!
以上の特徴から、ダブルブラックは以下のような方に特におすすめです。
- ブラックラベルのバランスの取れたスモーキーさを愛しつつ、よりピート香や樽由来の香ばしさが際立つ、力強い一杯を求めている方
- スモーキーなウイスキーの世界への入門として、バランスの取れた一本を探している方。個性的なアイラモルトへ挑戦する前のステップとしても最適です。
- いつものハイボールを、より個性的で飲みごたえのある一杯にアップグレードしたい方
これらに一つでも当てはまるなら、あなたはダブルブラックを存分に楽しめる素質があると言えるでしょう。また、スモーキーさではなく、モルトウイスキー由来の複雑さを探求したい方には、[ジョニー ウォーカー グリーン ラベル 評価]の記事もおすすめです。
次の週末は、新しい一杯を試してみる
Amazonでチェック
【次のステップへ】ダブルブラックを気に入ったあなたにおすすめのウイスキー

もしダブルブラックの個性に魅了されたなら、あなたのウイスキー探求の旅はまだ始まったばかりです。
次の一歩として、そのスモーキーさの源流である個性豊かな「ピーテッド・シングルモルト」の世界を覗いてみてはいかがでしょうか。
カリラ 12年:
ジョニーウォーカーのブレンドに欠かせない重要な原酒の一つで、ダブルブラックに感じるピーティーさの源流とも言えるボトルです。よりクリーンで洗練されたスモーキーさを体験できます。
➡Amazonでチェック
タリスカー 10年:
こちらもジョニーウォーカーにとって重要な原酒の一つです。産地であるスカイ島が育んだ、黒胡椒のようなスパイシーさと力強い潮風の風味が爆発するような、個性的な味わいが楽しめます。
➡Amazonでチェック
まとめ:あなたのウイスキー体験を、次のステージへ

今回は、ジョニーウォーカーの定番「ブラックラベル」と、その進化版「ダブルブラック」の奥深い違いについて解説しました。
その違いは、単なるスモーキーさの強弱ではなく、製法から生まれる味わいの「質」と「複雑さ」にあります。
あなたが愛するブラックラベルの安心感は、これからも変わらずそこにあります。しかし、もしあなたの好奇心が、いつもより少しだけ大胆で刺激的な味わいを求めているのなら、その答えは「ダブルブラック」にあるはずです。
数百円の追加投資で得られる、濃厚なスモーキーハイボールの満足感と、アイラモルトの世界への扉。それは、あなたのウイスキーの知見をさらに広げる、価値ある一歩となるでしょう。
ボトルを手に入れたら、ぜひ【2025年版】ジョニーウォーカーのおすすめ全7種を徹底比較!初心者から愛好家まで必見の選び方の記事を参考に、最高の状態でその味わいを引き出してみてください。
今夜は、いつもの歩幅を少しだけ広げてみませんか?乾杯!
コメント
コメント一覧 (2件)
[…] ブラックラベルとのより具体的な味わいの違いが気になる方は、「ジョニーウォーカー ダブルブラックとの違い」を解説した記事もご覧ください。 […]
[…] ▶︎ ジョニー ウォーカー ダブル ブラック 評価|ブラックラベルとの違いを徹底比較 […]